2007年夏、SONATA ARCTICAを脱退したヤニ・リマタイネン(G)は、ポール・ディアノのバンドに一時的に加入してツアー・メンバーとして活動を続けるなどしていたが、明けて2008年夏、脱退後密かに暖めていたニュー・バンド結成のヴィジョンを具現化すべく行動を開始する。
彼の構想は原点回帰とも言うべき初期SONATA ARCTICAのサウンドに聴かれるようなメランコリックなメロディを存分にフィーチュアした、ドラマ性を持つメロディックなスピード/パワー・メタルに他ならなかった。新たにグループを作るならやはり全てフィンランド人と決めていた彼は、母国の偉大なる先輩バンドSTRATOVARIUSのシンガーでもあるティモ・コティペルトにだめを承知で声をかけるが、意外にもティモはヤニのヴィジョンに賛同。結果、彼はシンガーとしてこのニュー・バンドに加入することを快諾する。キーボード・プレイヤーの座には長らく連絡を取っていなかったが、以前からその才能に惚れ込んでいたかつての盟友ミッコ・ハルキンが座り、ここにソナタの遺伝子を受け継ぐメンバーが結果ふたりとなる。ベーシストにはジャンルこそ違えど昔からの顔馴染みで気の合う実力派プレイヤーであるNORTHERのユッカ・コスキネンが迎えられ、最後ドラムにはポール・ディアノのバンドでヤニの同胞であったヤニ・フルラが加入、ここに全員がフィンランド人によるスーパー・グループCAIN'S OFFERINGが誕生する。
「GATHER THE FAITHFUL」と名付けられたデビュー・アルバムは、ティモ・コティペルトのメイン・バンドであるSTRATOVARIUSのレコーディングの合間を縫って作業は進行され、2009年6月にアルバムは完成、リリースの運びとなる。ヤニの狙い通りのサウンドとなったアルバムは特にここ日本で喝采を浴び、ヤニの復活を喜ぶ声も大きく聞こえる結果となった。バンドとしてのツアーは結局行われなかったが、ヤニとティモはふたりのアコースティック・プロジェクトとして地元を中心に定期的にライヴを行い、KOTIPELTO & LIIMATAINENの名義で「BLACKOUSTIC」というスタジオ・アルバムを発表する。
2014年になるとヤニはCAIN’S OFFERINGの2ndアルバムの構想を練りはじめる。盟友であるティモとヤニ・フルラはそのままに、ベーシストにはMyGRAINのヨナス・クフルベルグ、キーボード・プレイヤーにはSTRATOVARIUSのイェンス・ヨハンソンが参加した新生CAIN’S OFFERINGの第二章が今幕を開ける!