ENFORCER
『ヘヴィ・メタルの未来がここにある!!』
世界中の若いヘヴィ・メタル・ファンを熱狂させ、「ニュー・ウェイヴ・オヴ・トラディショナル・ヘヴィ・メタル(NWOTHM)」の人気を決定づけた、スウェーデン出身の若き正統派ヘヴィ・メタル・バンド、ENFORCER。
デビュー前から世界中のアンダーグラウンド・シーンにおいて熱狂的な人気を誇り、精力的な活動によって今やNWOTHMシーンに止まらず、ヘヴィ・メタル・シーンを代表するバンドになりつつある、現在最も動向から目が離せないバンドの一つである。
根っからの完璧主義者である彼らは、9曲のピュアなヘヴィ・メタル・サンダーを手に入れるために6ヶ月の大半をレコーディングに費やし、2008年11月、遂にデビュー・アルバム「Into The Night」をリリース。このリリースにより、ENFORCERはトラディショナル・ヘヴィ・メタルの復興の堰を切り、彼らに続く多くの若いバンドに道を開いた。
ファンや世界中のプレスの絶賛を受けたこのアルバムを手に、バンドは2009年2月には地元スウェーデンのPORTRAITとともにヨーロッパ・ツアーを、8月から9月にはカナダのCAULDRONとともにアメリカ・ツアーをそれぞれ行った他、その間に『Sweden Rock』『Bang Your Head』『Headbangers Open Air』といったフェスティヴァルへも出演を果たした。
「Into The Night」のようなデビュー作をリリースした後で、彼らはそれに匹敵するような作品を作ることができるのだろうかと不安に思うファンや評論家もいたが、2010年2月に完成した「Diamonds」は最高品質のピュアなオールド・スクールのヘヴィ・メタル・アルバムで、まさにENFORCERの本領が発揮された作品となった。トリガーやサンプラーといったまがい物のモダンなスタジオ技術は一切使わず、レコーディングからミキシング、マスタリングにいたるまで100%アナログで行われ、目指したとおりのオールド・スクールなヘヴィ・メタル・アルバムを完成したのだ。そして、2010年7月には、「Diamonds」と「Into The Night」の同時発売という形でここ日本でもデビューを果たす。
「Diamonds」は「Into The Night」に続きベスト・セラーとなり、バンドは次世代のシーンを担う存在として、以前にも増して世界中のファンやメディアから大きな注目を集めることに成功した。
ギリシャのSUICIDAL ANGELS、カナダのCAULDRON、スウェーデンのSTEELWINGとともに『Power Of Metal』と題されたヨーロッパ・ツアーを行なったバンドは、続いてCAULDRONとともにイギリス・ツアーを行った後、『Metalcamp』(スロヴェニア)、『Bang Your Head』(ドイツ)、『Bloodstock Open Air』(イギリス)といったフェスティヴァル出演を経て、11月から12月にかけてAIRBORNEのサポートとして再びヨーロッパ・ツアーを慣行。そして翌2011年1月、待望の初来日公演を行なう。そのヘヴィ・メタルの初期衝動とも言えるパワーに満ちたアグレッシヴでエネルギッシュなライヴ・パフォーマンスは評判を呼び、若きファンから往年のヘヴィ・メタル・ファンまで熱狂させた。スウェーデンのMEAN STREAK、日本のSOLITUDEを迎えて行なわれたこのツアーの東京公演は、メンバー自身も「今までで3本の指に入る」と満足げに語る熱狂的な空気に包まれたライヴとなった。
日本から帰国後の3月にはギターのアダムが脱退するも、バンドはオロフ・ヴィクストランドがギターも兼任する形で留まることなく活動を継続、4月には同郷のBULLETとカナダのSKULL FISTと共にヨーロッパ・ツアーを行なった他、その後も『Keep It True』等いくつかのフェスティヴァル出演や、NWOBHMの伝説、ANGEL WITCHのサポートなどライヴ活動を行なう。
そして自らのセルフ・プロデュースのもと、2012年春から待望のニュー・アルバムのレコーディングを開始。これまでのアルバム同様、収録時間が40分未満となっていることについて、オロフは「俺達はヴァイナルのフォーマットを意識して曲を書いている。通常のLPは片面19分を超えると音質が悪くなるからね。俺の大好きなレコードで39分を超えるものはないし、リスナーにとってアルバムを通して意識を集中するという意味でも完璧な長さだ。このアルバムは最初から最後まで通して聴くように作ったもので、聴き終わったらもっと聴きたくなるはずだ。俺達はアルバムを埋めるための捨て曲は書かないからね」と語っている。音楽的には、前2作の延長線上にあるが、より焦点が絞られ、メロディは強力になり、飛び抜けたリフとヴォーカルが連なる鋼のように強力な作品となっている。オロフは語る「何か新しい領域に手を出すよりも、俺達はむしろ究極のENFORCERのアルバムを作ろうとしたんだ。今日の他のバンドから俺達を際立たせている全ての要素を集めて、一千倍に強調したのさ」
初ライヴから6年にして大手『Nuclear Blast』との契約を獲得、今やスウェーデンを代表する存在ともなったENFORCERのニュー・アルバム「Death By Fire」は、2013年3月、ボーナス・トラックを1曲追加収録して、SPIRITUAL BEASTより日本発売された。
そのアルバムはオロフの言葉通り、彼らの魅力が余すところなく詰め込まれた紛れもない傑作と仕上がっており、過去2作をも凌駕するスピードとドラマティックなサウンドが満載、まさに彼らの時代の到来を高らかに告げるものであった。
そんな次世代のシーンを担う彼らが、遂にこのアルバムを携えて、2013年10月、『LOUD PARK 13』で2度目の来日を果たす。