DEVIN TOWNSEND PROJECT
1972年5月5日にカナダで生まれたデヴィン・タウンゼンドが頭角を現わしたのは、1993年にかのスティーヴ・ヴァイが発表したアルバム「SEX & RELIGION」だった。
彼のハイ・エナジーなヴォーカルとパフォーマンス、そしてギタリストとしての才も持つデヴィンの存在はここ日本でも話題となる。 その後FRONTLINE ASSEMBLYの
アルバムへのギタリストとしての参加や、当時まだMETALLICAに在籍していた
ジェイソン・ニューステッドらと組んだIR8でデモを制作した後、 自身のプロジェクト
としてSTRAPPING YOUNG LADを結成する。デヴィンのダーク/ヘヴィ・サイドを表現したこのバンドは、
結果2006年の解散までに5枚のスタジオ・アルバムと1枚のライヴ・アルバム、1枚のライヴDVDを発表する。
また、その間に、パンク・ミュージックを茶化したプロジェクトPUNKY BRUSTERでもアルバムを発表している。
しかしデヴィンが持つその可能性はヘヴィで激しい音楽ばかりではなかった。
1997年にOCEAN MACHINE名義でリリースしたアルバム「BIOMECH」は、
後にデヴィンの代名詞ともなる“Wall Of Sound”と呼ばれる大海のような壮大なサウンドと、
洪水のような重ねたメロディを際立たせた作品となり、 周囲を驚かせる。そしてその方向性は、
翌年に本人名義でリリースされた、よりポップさを増したアルバム「INFINITY∞」で完成される。
その後も本人名義で、STRAPPING YOUNG LAD的アプローチも混ぜた「PHYSICIST」(2000年)、
よりプログレッシヴな方向性にシフトした「TERRIA」(2001年)を発表。 1997年以来に
STRAPPING YOUNG LADを再始動させた後も本人名義、あるいはTHE DEVIN TOWNSEND BAND名義にて、
さらにプログレッシヴで実験的なアルバムをリリースし、 デヴィンの才能が止まるところを知らない
ことを満天下に知らしめることに成功する。
STRAPPING YOUNG LADの活動に区切りを付け、本人曰く「自己のパロディー」として創り上げた
人形劇のストーリー・アルバム「ZILTOID THE OMNISCIENT」を2007年に発表すると、 しばしの沈黙期間に入る。
デヴィンはアルコールやドラッグを絶ち、以前から構想していた新たなるプロジェクトに着手する。
DEVIN TOWNSEND PROJECTと名付けられたそのプロジェクトは、すべてのアルバムで内容も演奏しているバンド
も違う全四部作に亘るものと発表され、静が支配する「KI」、 往年の“Wall Of Sound”を呼び戻した「ADDCITED」、
SYL的なアグレッシヴ面を強調した「DECONSTRUCTION」、 アンビエントな世界観が支配する「GHOST」をリリース。
精力的なツアーも消化し、特にそれぞれのアルバムを完全再現したロンドンでのライヴの模様は、
9枚組のボックス・セット「BY A THREAD」(日本未発売)として発表される。
そして2012年。DEVIN TOWNSEND PROJECTの新章として「EPICLOUD」を発表、現在に至る。